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彫刻の種類
墓石に彫る文字や言葉、イラストを決める
墓石の形によって、彫刻の内容を選ぶ基準が変わってきます。また、どのような彫刻を施すかによっておすすめの石種が違います。
彫刻の内容を決める基準は
- ・墓石の形
- ・石種
- ・宗派
オリジナリティのある彫刻を希望される場合は、墓所や墓石の形状などを選ぶ際に、可能かどうかをご確認されて建立することをお勧めします。
和型墓所
江戸時代からある伝統的な墓石の和型墓石は、竿石とよばれる縦長の墓石の正面に家名や、宗派に沿った経文、梵字や家紋を彫る場合もあります。
側面には頂いた戒名と俗名(生前の名前)、没年月日と享年、そしてお墓を立てた人の名前と建立の年月日などを彫刻する場合がありますが、現在では、墓誌に刻むことが多くなっています。
レイアウトに制限がありますが、伝統的な形式に沿った内容の彫刻が格調高い印象です。
洋型墓所
洋型墓所の場合、和型墓所に比べレイアウトの自由度が高く、オリジナリティのあるデザインをご依頼いただく方が多くあります。
家名や家紋だけでなく、思い入れのある文字や言葉、花鳥風月などのイラストを選ばれたり、似顔絵を指定される方もいらっしゃいます。
選ばれる石種や彫り方により、出来上がりに大きな差がありますので、いわき石材ではご相談に乗りながらデザイン提案を行います。
壁面墓所・集合墓所・芝生型墓所
一般普通型墓所に比べ、彫刻できる面積に制限がありますが、その分選ばれる石種や内容・彫り方によって、個性が際立つ表現をすることが可能です。
墓石への彫刻は石に彫るという性質上、先祖代々に受け継がれるものとして半永久的な恒久性を持ちます。
一度彫刻した内容は、容易に訂正できません。慎重にご検討の機会としてください。
また、いわき石材ではご納得の頂ける内容をご提案することを信条としています。ご不明な点はご相談ください。
書体見本
墓石に彫る文字は、一般的には和型墓所に縦書きで家名を彫刻するのが一般的です。
書体は行書や楷書、宗派によっては書体の指定がある場合もあります。
洋型墓所や、壁型墓所、集合墓所、芝生墓所などは、横書きを選ばれる方が多く、家名もアルファベット表記や英語や外国語から家名以外の単語や文章を指定される方も多くなりました。彫り字の映える墓石の選定や、墓石の形や面積とのバランスも重要になります。
縦書き 書家によるオーダー文字(+16,500円)
ご指定の文字を書家の方に依頼して、原稿を作成します。ご指定の書体に対し2回までの修正が可能です。
また、原稿をお持込みいただいての制作も可能です。半紙またはA4程度のサイズに墨(または黒)ではっきりと書かれたものをご用意ください。
隷書
草書
行書
楷書
篆書
縦書き 規定の書体
いわき石材所有の書体にて原稿を作成します。
隷書
草書
行書
楷書
横書き 規定の書体
いわき石材所有の書体にて原稿を作成します。
一文字 書家によるオーダー文字(+1,6500円)
墓石に対してバランスを見ながら書家の方に文字を書いて頂きます。
規定の書体や、お持込み原稿での制作も可能です。
石の彫り方の種類
同じ書体でも、彫り方によって大きく印象が変わります。また、彫り方によっては、着色を施すかどうかの選択もあります。
イラストや持ち込み原稿、アルファベットや特殊文字などを施す場合は特に彫り方の選択が印象の大きな要素になります。
普通彫り
文字や文様部分を彫り、陰影が付くことで奥行きを感じさせます。墓石の正面文字など大きさや太さのある文字に向いています。
楷書体:白色ペンキ
浮かし彫り
文字や文様などの周囲を彫って、文字や文様を浮き出すように見せる彫り方。
石色を選ばず、文様をはっきりと見せることができます。
角彫り
彫りの面をフラットに彫る彫り方です。
モダンな印象で、隷書体やゴシック体の文字やアルファベットが映えます。イラストなどにも適した彫り方です。
隷書体:ペンキなし
ふち彫り
スジ彫りした輪郭の中を軽くブラストします。凹凸が少ないため、メンテナンス性に優れ、文字や文様がはっきりと見え視認性も良いため、正面文字やイラストなどに適しています。
立体文字彫刻
この彫り方は、文字の輪郭部分を丸く落とすことによって、立体的な視覚効果を生み出す工法ですが、隷書体のような書体が適しています。(別名:かまぼこ彫り)
スジ彫り
主にイラスト等を彫るのに使う工法です。線を描くように彫っていくので細かい図柄にも対応可能です。
象嵌加工
地となる石に別の石をはめ込み加工します。高度な技術を要しますが、出来上がりの美しさは格別です。
石目の細かい濃い石色を地に明るい色の石が映え、花や一文字のご依頼を多く頂きます。
点刻
点描画のようにノミで石に点を打ち表現します。店の密度や堀の深さなど石ならではの技法で奥行きや立体感などの表現が特徴的です。
石の彫り方
彫刻面にゴムシートを貼る
石の彫刻を施す面にゴムシートを貼ります。正面文字など彫りが大きい場合は厚めのシート、細かい文字や文様は薄いシートで使い分けます。
彫刻する文字・図柄を貼る
ゴムシートの上から、彫刻する図柄の紙を貼ります。
ゴムシートを切る
文字や図柄の書かれた紙をガイドにして、ゴムシートを切っていきます。カッターの刃をほとんど一筆書きのようにして一気に手作業にて切っていくため、文字を切れるようになるまでおよそ5年ほどかかると言われています。
サンドブラスト
機械を使って、ゴムシートを外した部分に、細かな砂を当てることにより、石を削っていきます。砂を当てる量や角度の調整により微妙な陰影を出したり、細かな模様の彫刻や表面のみつや消しなどの繊細な表現も可能になります。
サンドブラスト
作業用ののぞき窓から見た図
写真は縁彫りのため、文字のフチを細く彫っています。
彫りが完成
ゴムシートがない部分が彫れている状態です。
写真は普通彫り